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(主に大分の)珍種バス停写真のブログ。 バス停大好きっ子も厄年を過ぎました。
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VFSH0082.JPG 時折山の奥の集落なんかに行くと、「そこまでして」という気持ちに駆られることがある。そこまでしてこの地に分け入って、そこまでしてヒトの生きる場所へとこの地を開け拓き、踏み均して来たのか。

 バスはもちろん、その人々の足跡を丁寧に辿っていくものでありますから、これでもかこれでもかと続く急な上り坂の両脇の、斜面にへばりつく家々、そして茶畑や果樹園といったヒトの作ったものの真ん中を突っ切っていきます。

 で、着いた先がここさな。

 帰りにすれ違ったバスの行き先方向幕には「博多屋敷」。そりゃあ、紛らわしいもんなあ、博多。そういわれれば福岡市内には「博多」という名前のバ ス停はないので(「博多○○」とかならいくらでもある)、「バスで博多に行きたい」と意思表示をしたことがある方、ぜひとも責任を持ってこのバス停にたど り着いていただきたい。平日5本、土日でも2~3本ほどある親切設計ダイヤですよ。

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VFSH0104.JPG 汝、西へ向かえ!

 とばかりにお供のサンドラを引き連れてぐんぐんと西へと向かった俺。いや、サンドラとかそんなのはいないから、マジで。思い立ったが最後、ひたすらに海を見たさに西へと向かって向かって向かった先に、右折すれば星賀との標識。

 「星野・・・星払ときて・・・次は星賀?」

 なんとなく今回のフィールドワークのテーマは「海」だったおれ。どんより雲も何のその、いくつかのバス停を(多分後々公開)収めてもう帰ろうと 思っていた矢先に見つけたその矢印標識に、なにかひらめいた。西へ、西へ。半島の尾根上を道路は走り、港を見つけるやいなや急にうねるような下り坂を展開 する。そんなヘアピンカーブ沿いに少しずつ家が並び始め、次第に増え、長い下り坂の終わりごろにはもう港の集落。漁村の家並みは道路に向かってぎっしりと 立ち並んでいて、家々の軒下をかすめるようにバスは突き進んでいき・・・。

 かくて、終点は西の最果て。ここから先は海!

 夕間暮れの最果ての岸壁には、おばあちゃんと子供が釣りをしていました。写真を撮っている間、おばあちゃんは子供に「もう帰りんしゃい」と促してるご様子。釣りに夢中の孫は不機嫌そうにノーの意思。するとおばあちゃん、

 「そろそろバスが来るけんあぶなかよ、帰らんね」

 ほほえましい気持ちになりながらここをあとにし、元来た道をたどっていたらそのバスと5分後に港の上のヘアピンカーブですれ違った。もう、帰っただろうかな。

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b5215f56.jpeg ・・・で、どっちがピョンタなんだ?

 たまにはこんなおもしろバス停ってのもいいかな、って感じののんきなバス停。ムツゴロウがのたのたとしているのを楽しめる、干潟脇のムツゴロウ公 園の前にあるバス停・・・なはずなんだが、海岸へ降りるとその日はイマイチムツゴロウの入り(というのか)が悪く、なんだか看板倒れじゃね?って感じでし た。

 しかし、ピョンタはこの写真方向の真後ろにある物産店の名前だったのでした。黒豆の枝豆が山のような量で150円で、オドロキ。

Vfsh0075.jpg 道路は生き物。ゆえに流れの悪くなった道路は打ち捨てられ、やがて人の流れが絶えて枯れ行く運命なのですがまさにそういうバス停。

 このバス停は橋が掛け替わって、川の向こうを国道が走るようになった場所。バス停自体はその国道と、川向こうの新道たる国道がかつて担っていた、 別方向へと結ぶ幹線の県道との分岐点に存在していたようで、橋の袂にあるでっかい三つ角と大きな標識。峠の茶屋然とした商店の軒先には「乗合自動車待合 所」・・・。

 と、想像を張り巡らせるくらいしか出来ない、人っけの全くないバス停にはプレートも標柱もなく、二度と開くことのない峠の茶屋の商店の木戸には無 粋な、エクセル出力のバス時刻表が貼り付けてあるだけ。ぶつ切りになった橋の向こうには物産店などが並びにぎやかな気配。こちらから聴こえてくるのは木々 のざわめきだけ…
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89a1e74b.jpeg堀川バスという、小さなバス会社の持つ星野村線の一日一往復の迂回線。

 こんな路線に乗ろうというのは野暮だろう。地元の学生のために残しました、といわんばかりの早朝と夕方設定のダイヤ。バスってのは公共物なので、たかだか眺めるのが好きな好事家なんかが上がりこんでゴメイワクになってしまってはいけない。

 星野村の特徴はもう風光明媚、だが人はいない。これに尽きる稀有な村だと思う。お世辞ではなく本当に。ゆえにバス停の写真ももうむちゃくちゃ撮っ てしまって、一週間に一辺ひとつづつやってもおっつかないくらいな上にまだまだ撮り残しがあるというくらいなのだが、この迂回線のバス車窓から眺められる であろう風景たるや。

 青々とした茶畑、広がる棚田。真ん中を流れる清流。これ以上に何があるかという日本の原風景にうっとりしてほしいのだけど、そのバスに乗れるのは地元の人々だけでよいのです。宝石というのはガラスケースの向こうにあって、眺めるものだと思っているのです。

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★激動の昭和の荒波に耐えて田舎に都会に生き残る、珍バス停たちが大好き。しかし嫁は全く無理解。
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