(主に大分の)珍種バス停写真のブログ。
バス停大好きっ子も厄年を過ぎました。
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マップ・トラベラーだと「このバス停どうなってんだ?」的な名前のバス停に行ってみたい衝動に駆られるバス停の一つや二つがあるだろう。佐賀県の南のほうにあるこのバス停なんて極北で、何せ海側の干拓地に向かって行く枝線の終点三つのバス停名が
「1B」「2A」「2B」 である。手抜きとばかりにおなめになっておられるのか、それともそもそもそういう土地であり公用語が英語のアメリカンな場所なのか。で、相当以前 に確かめに行った事があるのだが写真には収めていない、近くまで来たし行ってみるか、そんなこんなで行ってみたらば嫌な予感。どうも自治体によるコミュニ ティーバスに運営を転換されているじゃないか。 こうなると珍妙だったり、自体にそぐわなかったりするバス停は大抵改称されてしまうのである。いくつそういう味のあるバス停がなくなったことか・・・と思い終点「2B」に到達してみると。錆びた標柱に「2B」という力強い文字が入った標柱は真新しいものに変わってしまっていて、そうして嫌な予感は的中していた。しかも、より珍妙な方向に。 「5B」 増えてるよ! ちなみにバス停名の由来は多分、新しい干拓地で細かい地名がないからじゃないでしょうかね。想像で物言ってますが、それほど整然とした比較的新しい区画地でした。
昭和59年西鉄バス時刻表という分厚い冊子を(おそらく手打ちで)PDFにしたためた偉業を成し遂げた方がいらっしゃって、勇んで閲覧してこのバス停の本数を見て絶句。
このバス停は豊前川崎という、国鉄(敢えてそう記す)のジャンクションの駅前広場から商店街を通り抜け、その店並みが途切れるちょうど真上に大き な折り返し場とともに存在していました。大きな県道を通って、田川(その付近の中核都市)からやってきたこの町の他の方面に行くバスには駅に入ること自体 がわざわざ枝線の袋小路に入るようなもの。しかし時刻表を見れば、まずバスはこのバス停に敢えて寄り、そこからその袋小路を戻ってさらにこの町の枝端のあ ちこちに向かう。そのことと、その沿線の駅前商店街の栄華のあとは、この場所が生活上の拠点であったことを思い起こさせます。 ここで日々の食事の準備、生活の用足しに足を向け、出会う、別れる、旅立つ…さまざまな人の流れの集まりであったこの場所にはバスはもうやってき ませんし、駅前商店街に来るはずの人々は近くの県道沿いにある大きな駐車場のあるスーパーに自家用車ですいっと行ってしまうのでした。
今日付けで、筑豊地方のいくつかのバス路線が廃止になることになりました。
筑豊にはいまだにバス停に「坑」の字が入ったものが残っていて、その多くが終点だったり重要な経由地であったりするところが時代を表している気がするのですが、そのうちのひとつで一日1本のみの迂回線の経由地、「三井四坑」がその廃止路線の中に入っていました。 道路は拡張工事の真っ最中、看板すら落ちた商店も、バス停も飲み込んで、全く違う町並みができるのでしょう、そこには。何もかもを忘れたようでい て、生き証人のように立っていたこのバス停も今日で廃止。もしここに、新たなバス停が別の業者や町によって立てられたとしたら、おそらく「坑」の文字がつくことはないでしょう。
母方の血の話ばかりしていて、親父の血の話を忘れるときがある。オヤジは間違いなく筑豊堅気の人間で短気で手が早く、良くも悪くも義理に厚くて人情に弱い世渡り下手な人。「青春の門」を読んでも「え?こういう人物像って普通じゃないの?」と思う辺りまさに親子なんだが(本当)、そんな親父の母方のふるさと、つまり祖母の育った町にある、炭鉱跡の町であります。
いろんな炭鉱町を回って思ったことがある。ひとつの共通点なんだが、子供たちが底抜けに明るいのだ。そして、写真を撮ろうとしている自分に話しかける年配 の方々、その声色も底抜けに明るい。福岡なんてクソ田舎だ!とか大都会を見上げて叫んでる自分が恥ずかしいくらい、今住んでる町なんか擦れすぎてるんだな あ・・・。 都会で一生を終えたその祖母が自分にくれた最後の言葉は「強く生きてくださいね」だった。底抜けに明るい、しかし皆が貧しい町からこの街で生き抜いた祖母のその言葉は、なんと重いことか。 …いや、重くはないのかもしれない。そのばーさまの血を受け継いでいるんだから、きっと。 |
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