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(主に大分の)珍種バス停写真のブログ。 バス停大好きっ子も厄年を過ぎました。
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2f56455d.jpg 炭鉱住宅、略して炭住。

ところで自分は写真については本当に無知である。
しかも大昔、自称写真家の男にとんでもない目に遭わされた事があり(※詳しく話を書くと「賠償」だの「訴訟」だのという素敵に生臭い言葉が並ぶので、絶賛割愛)。またこの男がよく写真技術の薀蓄を語ってるのに辟易してたのね。
ゆえに写真技術の向上という部分は意図して勉強しようと思っていない、というか複雑な気分になる。

なもんで、時折物凄いものを撮ってるにもかかわらず、撮影技術的なもので台無しになっているものをこしらえてしまうのである。
この画像はそんな部類に入るものらしい。
ビバ逆光。
筑豊で育った年配の方が驚愕していた。まだ残っていたのかと。

最近同じ場所に行ったら、あの木造の炭鉱住宅群は素敵な新築の鉄筋の家並みになっていた。
恨むんならその自称写真家の男を恨もうか、いやだめだ。別にどうでもいいや。
VFSH0107-1.JPGVfsh0111-1.jpg

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P1000183_R.jpg いや、バス停というよりもね・・・。

この写真を撮ってくれた(しかも写真の腕は数段うまい)せりざわP氏と自分は大のバスオタクであり鉄道オタクだ。ちなみにこの撮影旅行中(2007年秋ごろ)、ちょこっと熊本県を通過。
そこで流れてきた鶴屋百貨店の番組ジングルにおれが大爆笑したのがきっかけで、この動画(※ニコ動)が生まれたっけ。思えばそんな時期だった。

バス停よっかこの標識のほうに目が行った。っていうか、行くさ!!

宮原線、実は何度か見かけたことがある。
通っていた中学受験学習塾に合宿授業があって、この近くの温泉宿を使っていた。
たまにみんなで外に出て、泳ぎに行ったり野球をしに行く移動のバスの車窓から、宝泉寺駅や町田駅が見えたことがあった。
ちょうど町田駅から、何人もの人が階段を降りる様子を見た記憶がある。列車到着時だった。

P1000188-1_R.jpg・・・実は印象、あまり変わってない。

頂上には駅舎のようなものが見えた記憶がある。
せりざわくんとワクワクしながら、階段を登った。

P1000185_R.jpg P1000184_R.jpg

うわあ!!!
駅、残ってる!!

PICT0060_R.jpg バス停の写真を撮るとき、その路線がまず乗ることが叶いそうにない路線だったりすると、当然のごとくバス停を「探しに行く」という作業が重要で。

そこで活躍するのが「一昔前の」(※重要!!)道路地図。
大分県を巡回するときに自分が使ってるのは平成6~7年度の人文社のもので、国東半島めぐりの際は「ハア?そんな路線なんてもうねーよボケ!!」的肩透かしをそりゃもう何度もさせられた。

九州のバス時刻表」という便利なサイトがあります。このページは地図に表示されたバス停をクリックすると、時刻やら運賃やらが九州じゅうどこでも検索できる、みたいな優れものサイトなんですが、この地図の元データというのが「提供:昭文社」。いわゆる書店で売ってる安心の道路地図ブランド、マップルですね。
最新の大分県マップルなんですが、実はこのバス停は入っていないんですな。
tukada-0.jpg九州のバス時刻表」より。
tukada-1.jpg書籍だとこんな感じ。「塚田」は入ってない。

サイトでは、「ん?日田バスの資料では『塚田』ないよなあ・・・この間にあるみたいだし、この真ん中に入れちゃえ」って感じで無造作に真ん中に置いてあるわけです。

自分も実は、ここの路線はそうなっているものだと思っていて、この塚田バス停の存在も知りませんでした。バス停には路線表や「次のバス停」もないし。しかし、前々から気にはなってたんですよねえ。なんで地形的にあんな大きい集落の内に入らずに、沢の根元のところで曲がっていくか。沢の根元のところにバス停を置くにしては、ちょっと奥の集落の人々の使いにくいとこにバス停あるし・・・。
「古賀橋」はあまり人気を感じない場所に、「古賀」は沢の根元から、別の沢の方にちょっと登ったところにあって、向かい側の大集落の人はとても使いづらかろう。しかし、実際この古賀と古賀橋の間は路線的には一本道に見えるわけですよ。お互いが見えるし。あー、次のバス停あそこと誰もが思うでしょう。

そこでその、古い地図を投入。古い地図なのに1000円近くした上、飯塚の古書屋さんでおんなじのが600円くらいで売ってありました。

tukada-2.jpg・・・!!!!!
そう、奥の集落にバス停があるらしいことがわかりました。
そもそも自分が何故こんな場所に興味を持って、バス停を発見して歓喜したかというと。
そこの集落には200円では入れる天瀬温泉の源泉を使った温泉センターがあるからです。
たまに腱鞘炎やらがひどくなると、ここに入りに行くことにしているくらいです。

早速、温泉センターを通過し、集落の真ん中に突進していくことに。
すると・・・。

PICT0061_R.jpg PICT0063_R.jpg

発見まで、おそらく2年かかったこのバス停。
2年前も今も、来るのは一日1往復。

そして見つけた感想は
 「こりゃマップルも見逃すわな」。

ところでつい先週、またこの温泉に訪れました。もうこの辺のバスの写真は全部撮りつくしたわい、などと豪語していた自分だったのですが・・・(※引き)

PICT0497_R.jpg
VFSH0003.JPGこのバス停のデザイン、お世話になっている表現ワークショップで写真を撮られている方の作品。

地名に「猫」はなかなか付かないものなのですが、ここの地名は地元伝承の「追い出し猫伝説」によるもの。
詳しくは待合室中に入ってみると伝承の全てが書いてあるのです。

要は「外宇宙からの生命体・巨大鼠がまさに地球を侵略せんと、この地に最前線基地を築いていた。これを地元の猫・イダテンとベンテンはよしとせず、お供のアドン・サムソンを引き連れ、まずプロテイン製造工場から爆撃。戦いの火蓋は切って落とされた!!」的な話です。自分の曇りきった目にはそう見えました。
VFSH0005.JPG(※本当の伝承はこちら)

・・・で、デザインをやったその本人のお話。

「ともかくね~、猫の色塗ってたらかわるがわる地元の人がやってきて、この追い出し猫の話をしてね~。一人したと思ったら違う人がやってきてまた同じ話してきて・・・よっぽどこの村は、猫に助けられたんだろうね~。もうずーっと塗ってる間その調子。」

猫塚は、その大鼠との戦いで死んだ多数の猫の弔い塚だとか。
この町ではこの伝承にあやかった「追い出し猫人形」を売ってると聞きます。

VFSH0008.JPG VFSH0007.JPG
daibuko01.JPG昔西鉄バスの乗降調査なんてアルバイトをやったことがある。
しかも行ったのが田川後藤寺営業所である。

打ち合わせに知り合いのバスマニアと向かい、飯塚で別れて電車で帰る道すがら。
どうせまっすぐ帰るならと、ええいままよと今は亡き17番、高田経由大分坑行きに飛び乗った。「大分」だし、どうせ筑前大分駅の近くだろう。

・・・バスは、高田までは素直に県道を走っていたが、途中から田んぼの真ん中の狭隘路を突進。
筑前大分駅の横を目もくれずかすめ、旧街道の宿場跡みたいな農協前バス停まで到達。運転手はここでも降りない自分に気づいた。
「あ、趣味で乗ってますね?」
・・・ということは、早い話。終点はおっそろしく何もないか、こっち廻り系統が遠回りか・・・どっちも正解だったのだけれど。運転手は色々話をしてくれたのち「あっち経由(現存の路線)のほうも面白いから、帰りはそっち使ってみてください」とのこと。

バスはジェットコースターみたいに、狭隘路をひたすら曲がりくねって進んだ。進路に急に平地が開けた。
草原。ところどころ、廃屋。そしてその真ん中に古ぼけた購買店と、バスの営業所が立っていた。
バスを降りた。店はやっていた。店の横には、屋根がつぶれかかり、柱は斜めになった廃屋が2~3軒。

帰路のバスまで30分あり、草原の向こうまで歩いた。
道路の真ん中に、次のバス停が立っていた。
「新町住宅」という名前のバス停は、おそらくここにみっしりと炭坑住宅が建っていたんだろう、という証。

あれから何度もここに来る。
まず廃屋が消えた。
それから、購買店がなくなった。上の写真は、営業所のみになってしまったなあと感慨深げに撮った記憶がある。
そして今年、営業所までもがなくなった光景を見ることになった。

まだ、バス停は消えていない。
PICT0191_R.jpg PICT0194_R.jpg


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★激動の昭和の荒波に耐えて田舎に都会に生き残る、珍バス停たちが大好き。しかし嫁は全く無理解。
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